主夫になって気付いた本当の仕事の価値観

主夫
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こんにちは。

主夫な大仏です。


私は、主夫になる前は、

「男は仕事がすべて!金を稼いで家族を養え!」

という考えに支配されて生きてきました。

ですから、独身時代はもちろん、結婚し、子供ができても、一生外へ出て、会社に勤め、働き続けるのが当たり前だと考えていました。

ですが、家族ができて、この考えは変わりました。

夫婦共働きに幼い子供たち。

男の子育てを否定し、力づくで仕事中心にさせようとする旧体制の会社。

私にとって何が大切なのかを考えた結果、選んだのは主夫という道でした。



幼いころからの洗脳


私は1980年代生まれなのですが、この生まれ育った年代はバブル期で、とにかく休みなく働け!男は仕事をしてなんぼだ!といった風潮がありました。

そういう雰囲気を幼いころに見てきたからか、男は仕事がすべて!休みなく働くことが美学だ!と思い込んでいました。

当時のドラマなんかでもそういう設定の物は多かったように記憶しています。


CMでもありました。

栄養ドリンク飲んで24時間働けみたいな内容のものが。


両親は自営業ですが、私たち子供が寝た後も仕事をしていました。

当時は毎日深夜2時3時まで仕事をしていたのだそうです。

そんな親から言われ続けていたのは、

・4年制大学を卒業しろ。

・会社勤めをしろ

の2点でした。

とにかく、

「4年制大学を出ないと就職できない」

「自営業は不安定だから必ず企業に就職しろ」

とことあるごとに言われ、洗脳状態でした。

働かない男は価値がない


男は働いて当然。

その考えも幼いころから両親によって刷り込まれました。

ニートという家事もしない、学校も行かない、仕事もしない人たちが増えていると2000年代前半に報道され始めると、「あんな人間にだけは絶対になるな!」と念を押されました。

ヒモ男に対しても両親の目は冷ややかなものでした。

主夫はよくヒモ男と混同されるのですが、家事育児をするのが主夫、家事育児もせず、すべて女性にやらせるのがヒモ男。と私は区別しています。


男は、

働いて、金を稼ぎ、家族を養うもの

これが両親の教えでした。

私はこの両親の教えを忠実に守り、4年制大学を卒業し、企業に就職しました。

長続きしない仕事


大学新卒で就社した企業は地元の会社でした。

のんびりとした社風で、毎日のどかに過ごしていました。

ですが、私は不満を持っていました。

男はもっと仕事をするべきだ。

こんなにのんびりしていて、いいはずがない。

もっと仕事がしたい!


そう思い、入社約2年で退社。

東京の企業に転職しました。

転職先の企業で営業職になった私は、朝早くから夜遅くまで仕事に精を出しました。

ですが、入社して約3年。

私は仕事に対しての熱意がなくなり、大学があった地方に行くことを希望するようになりました。

このころから、植え付けられた仕事観と本当の自分の仕事観のズレが始まったように思います。

結婚


大学があった地方の企業に転職はしましたが、そこでも仕事の熱意は冷めたままで、うまく会社の同僚ともなじめないでいました。

もはやもっと仕事をしたい!などとは微塵も思わなくなり、いかに残業を減らして早く帰るかということだけを日々考えていました。

そんな折、結婚をすることになり、地元に帰ることにしました。

その企業に一生勤めることは当時の私には考えにくかったですし、結婚と同時に妻は妊娠していたので、地元で両親のサポートがあったほうがよいと考えたためです。

このあたりから、本当の自分の仕事観が前面に出てきました。

ブラック企業


転職した地元の企業は少人数で、とても明るくアットホームな会社でした。

就業時間は長いものの、

当初は私も、

良い会社に入れた。

ここで一生がんばるぞ。

と前向きでした。

ですが、徐々に風向きが変わっていきます。

会社を盛り立てていた役員が高齢のため退くと、その息子と取り巻きが勢力を拡大していきました。

その人たちが始めたのは社員の選別でした。


自分たちに反対する者、

自分たちと違う考えの者、

自分たちより楽をしている者。


手前勝手な基準で古くから会社に貢献してきた社員の方々を次々と追い込み、自主退職させていきました。


当初、私は選別で残されたほうだったのですが、とあることがきっかけで退職に追い込まれました。


それは、

男が子育てをしている。


という理由だったのです。


当時、2人目のこどもが1才になり、こども園に預けられるから、と妻が働きに出ていました。


夫婦共働きです。

基本的に、妻がこどもたちの送り迎え、園からの呼び出しや発熱などの休みの対応をしてくれていました。


私は仕事を優先させてもらっていたのです。

妻の仕事の都合上、月に数回は送り迎えをしなければならないことがありました。


それでも、私は会社の就業時間を破ったことはありませんでした。


ですが、新しくなった会社の役員たちはそこに目くじらを立てました。


「なんでお前だけが定時で帰れると思っているんだ」

「他のみんなは頑張っているのに、お前だけ頑張っていない」

「定時で帰りたければパートになれ!」


当然、私は上司の許可を得ていました。

なのに、私だけが悪者になっていくようでした。

この時、改めて自分の仕事観とこの会社の仕事観とのズレを強く感じました。


ああ、この会社の人たちはまだあの時の古い仕事観のまま、止まっているんだ。

と。



何に焦点を当てるか


昔の私は、仕事の価値は出世だとか、年収だとか、部下が何人いて、どれだけ大きなプロジェクトを手掛けていて…といった見栄えにあると勘違いしていました。


一方で今の私の仕事の価値は、どれだけ他者に貢献できたか、という点にあります。


上記の会社を辞めた私は主夫になりました。

主夫をしながら、自営業を営んでいます。

そこで、ようやく以前からあった仕事への価値観のズレがなんだったのかを気付けたのです。

私は仕事の価値観を会社の価値観と誤認識していました


仕事のことなど、考えたこともなかったのです。

考えていたのは会社に勤めている人間の価値。

外から見た、虚栄の価値のことばかりでした。

本当の仕事の価値はお客さんへの貢献。


そして、やりがい。


他人に尽くすということは自らの徳も積めるものです。

頭を下げてでも売ってこい。

営業マン時代に上司から言われ、強烈に反発心が芽生えた言葉です。

以前は自分でもなぜそんなに拒絶していたのか分かりませんでしたが、今ならわかります。

それは、他人のためにならないからです。


必要のないものを頭を下げてでも売りつける。

そういうクソみたいな考えの人間が上司にいる時点で、その企業は失敗しています。

焦点を当てる場所が間違っています。

会社は利益を追求するものですが、なぜ売れるかを考えず、数字だけを追いがちです。

相手のことなど、眼中にありません。


自営業はとにかくお客さんとの距離が近いです。

そして、意思決定はすべて自分でできます。

どうすればお客さんに最大限の貢献ができるか、考え、即実行できます。


そして、お客さんの反応がダイレクトに届きます。


仕事をしている上で、「あなたに頼んでよかった。ありがとう!」と言ってもらえることが、何よりのやりがいです。



男の価値は家族を守ることにある


最後に、男の価値についてです。

冒頭で、

男は仕事がすべて!金を稼いで家族を養え!


という考えに支配されて生きてきた、と書いたのですが、これこそが歪みの元凶であり、間違った考えでした。

旧世代の女性差別的な思考。

女は家にいるべきだ、とも捉えられる「嫁」という漢字からも、女性が家族を養うという発想が旧来はなかったのでしょう。

私は幼少のころからずっと女子には敵わないと感じながら生きてきました。

妹たちやクラスメート。ケンカでも、勉強でも、運動でも、一番になる女子が多かったのです。

なのにどうでしょう。

社会に出てみると、男ばっかり。

それも人を見下したり、差別したり、陰口を叩いたり、とても尊敬できるような人柄ではない人物ばかりでした。

これは、その人たちが元々そういった性格だったのではなく、間違った仕事観=男は仕事がすべて。という歪んだ認識に囚われすぎているがゆえに、他人を攻撃しなくては自分を保てなくなってしまっているのではないかと感じました。


では、男はどうすればいいのか?

私なりの答えは、


家族を守ること


これに尽きると思います。

家族を守ることを念頭に置けば、仕事をしてもいいでしょう。

主夫になってもいいでしょう。

自給自足の仕組みを作るのもいいかもしれません。


結果、家族を守れればいいのです。

仕事はあくまで手段の一つです。


仕事がなくなったって、生きていけます。

仕事には、その程度の価値しかないのです。


男にとっての最大の価値は、家族の幸せ。


きれいごとを言っていると思われるかもしれませんが、これが私の経験から得た答えです。

人間の本質は幸せに生きること。

価値のある生き方をすることにあると思います。

それを実現できるかどうかは、仕事が決めることではありません。


仕事がすべて!ではないのです。


この記事をここまで読んで頂けたあなたであればわかって頂けると思います。

どうか、一番大切な方のために、生きてください。




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