子宮頸がん経過観察中。新型コロナウィルス禍での出産体験談

子宮頸がん
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こんにちは。

主夫な大仏です。

新型コロナウィルス禍での妊娠、出産。

とても不安ですよね。

でも、この時期を選んでやってくる赤ちゃんは、きっと特別なのです。

今、産まれてくることに意味があります。

ですから、悲観せず、希望を持ちましょう!

2020年7月。無事に第3子が産まれました。

2020年。

この年は新型コロナウィルスが猛威を振るい、日常生活がままならない中での出産となりました。

この記事では、そんなパンデミック(世界的大流行)禍での子宮頸がん経過観察中の妻の過酷な出産の体験談をご紹介します。



突如やってきた恐怖


2020年2月頃だったと思います。

中国武漢地域から始まった謎の新型コロナウィルスがついに日本国内にも入り込んできた。

この時、妻はまだ職場で働いていました。

「なんだか怖いね」

などと話はしていましたが、まだまだ他人事。対岸の火事を見ているような気分でした。

それから国内での感染は拡大し、私たちの住む地方にもその脅威はやってきました。


妊婦が感染するとヤバいらしい。

胎児にも影響があるらしい。


なんの根拠もない噂が広まっていました。

こういうのが一番精神的に辛いです。


妻は新型コロナウィルスに怯え、政府が緊急事態宣言を出した2020年4月頃から自主的に休職しました。

まだまだ妊婦についての確証のある話は上がってきていませんでした。

もしお産予定の病院でコロナが出たら?


こんな心配事も浮上してきました。


もし、お産予定の病院で新型コロナウィルスの感染があったらどうなるでしょう?

病院閉鎖?

もしそうなったらどこでお産をすればいいの?

↑妻は子宮頸がん検診で引っ掛かっており、経過観察中でした。


もし子宮頸がんが進行していたら?

他の病院で大丈夫なの?


不安は募っていきます。

もし自分が新型コロナウィルスに罹ったら


こちらのほうが恐怖でした。

若者は致死率が低いというデータは出始めていましたが、妊婦、胎児に関する信頼できるデータは出ていませんでした。


万が一自分が新型コロナウィルスに罹ったらどうなってしまうの?

お腹の中の子どもは?

幼い子どもたちは?

そして、妊娠中で免疫力が落ちている妻自身は?


妊婦が新型コロナウィルスに罹ったら、どこでお産をすればいいの?


通っていた産科の入っている総合病院は新型コロナウィルスに対応していませんでした。

つまり、他の感染症患者受け入れ可能な病院で、かつ、産科がある病院に限られてしまいます。


一体どこにあるというのでしょうか?

片道何時間?

県外?


私たちは途方に暮れてしまいました。

とにかく、新型コロナウィルスに罹らないように、祈りながら予防の手洗いうがい、清拭を徹底していました。

第一波が過ぎ去った


2020年5月25日。

緊急事態宣言の解除が政府から発表されました。

私たちの地域では新規感染者ゼロが続いていて、幾ばくか不安も薄らいでいたように思います。

通っていた病院も面会制限はあるものの、通常通り稼働していました。

子宮がんの進行もとりあえずは落ち着いているようで、引き続き経過観察。

大きくなったお腹に圧迫されてか、妻の吐き気は戻ってしまっていましたが、気分転換に外食をしたり、日常を取り戻しつつありました。

出産直前に第二波


7月に入り、いよいよ出産まであとわずか。

ところが、いったんは落ち着いていた新型コロナウィルスが再び東京で感染を拡大し始めていました。

この時はまだ東京だけ、といった感じで、そこまで危機感は感じていませんでした。

病院も面会制限はありますが、受診の付き添いや出産の立ち合いは7月から可能になったばかりでした。

子どもが生まれるのが先か、コロナの影響が出るのが先か。

日に日にコロナウィルスの感染が地方にも広がっていきました。

あっという間にほぼ全国で新規感染者増加。

私たちの住む地方も例外ではありませんでした。

ギリギリの出産


2020年7月下旬の深夜。

予定日まではまだ10日ほどありますが、陣痛が来ました。

それでも、幼い子どもたちがいるから。とすぐには病院に向かいませんでした。

外がうっすらと明るくなるのを待って、まだ眠そうな子どもたちも車に詰め込んで出陣。

幸い、病院の陣痛室は最後の一室が空いていて、すぐに入れてもらえました。

子どもたちは私の実父母に預けて退散。

私はなんとか赤ちゃんの出産に立ち会うことが出来ました。

もう3回目ですから、分娩監視装置の値を見ながら陣痛を予測し、テニスボールを押す強さ、タイミングを妻の表情から決定。水分補給や愚痴を聞くなど、できることはすべてやりました。

男にできることなんてそんなものです。

激しい痛みに叫び、分娩台を叩きつけ、悶絶する妻。

女性のこの苦痛に比べたら、男とはなんて無力で楽をしているのでしょう。

とにかく希望を言葉にして伝え、励ましていました。

陣痛の間隔がどんどん短くなっていきます。

最初は1人だったスタッフさんの数が増えてきました。

助産師さんが滅菌された術衣をまとっていきます。

…この感じ。

産まれる!


無事に産まれてきてくれました。

約3100gの元気な男の子です。

出てきてすぐにないてくれました。

妻はもうぼろぼろに疲れ果てていましたが、涙をこぼしました。

よくがんばった。

よくがんばった。


胎盤もキレイに出てきてくれて、裂傷も1か所のみ。

先生も「いいお産だったね」と妻を褒めてくれました。


2時間ほど分娩台の上で休み、徒歩で病室へ移動。

産まれたての赤ちゃんは華奢で、うねうね動いて、か細い吐息のような声を漏らして、とてもかわいかったです。


その日から5日間入院となりました。


退院前日。


それまでは毎日面会に行っていたのですが、病院の張り紙を見てヒヤリ。

明日から面会禁止。

ちょうど妻の退院日から面会が全面的に禁止になるということでした。

もちろん、出産の立ち合いもできなくなります。

予定日より10日早く生まれてきてくれた赤ちゃんですが、タイミングが良すぎて驚いてしまいました。

もしかして、狙って産まれてきてくれた?

なんてはずはないですが、パパにも出産に関わらせてくれたことに、感謝です。

おわりに


新型コロナウィルス禍での妊娠、出産に頭を悩ませている方も多いと思います。

信頼できる情報が少なく、病院の先生方も

「とにかく予防」

としか言えないとのことでした。

これから出産をされる皆様におかれましても、お体をご自愛ください。

そして悲観しすぎないでください。


この大変な時期に子を授かり、出産をするということは、意味があるのです


この混乱を乗り越え、産まれてくる赤ちゃんは、きっとあなた方の希望となります。


私にとってはそうです。

この子が産まれてきてくれてから、毎日が心穏やかになれています。

上の子たちに怒ることも少なくなりました。

新型コロナウィルスのことなど忘れてしまうくらい、かわいいです。

どうか、あなた方のお産が良いものになれるよう、願っております。



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